うのたろうです。
恥ずかしながら、ぼく、以前、和菓子の修業をしていたことがありました。
というわけで、本日うんちく。
お彼岸のときによくたべられる人気の和菓子「ぼたもち」と「おはぎ」の違いについてのお話しです。
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「ぼたもち」と「おはぎ」の違いを結論からいいますと
ものとしてはまったくおなじものです。
つぶあんの「ぼたもち」もあれば、つぶあんの「おはぎ」もあります。
こしあんの「ぼたもち」もられば、こしあんの「おはぎ」もあります。
これを見てもわかりますように、商品としての厳密な違いはありません。
「ぼたもち」=「おはぎ」
です。
ただたんに、おなじものにふたつの呼びかたがあるだけです。
ではなぜ、名前が違うのか……?
ということですが……
「ぼたもち」と「おはぎ」を漢字で書くと?
◎.ぼたもち……牡丹餅
◎.おはぎ……御萩
漢字ではこのように表記します。
これを見てもわかるように。
それぞれが「牡丹」と「萩」という花の名前があてられているのです。
そこで思いだしてください。
牡丹と萩の季節は?
開花時期は以下のとおりです。
◎.牡丹……4月末~5月初旬
◎.萩……7月~9月
牡丹
萩
つまり。
牡丹は5月の春の時期、萩は9月の秋の時期の花なのです。
ということは……
「ぼたもち」と「おはぎ」の違いは?
以上のことから。
春のお彼岸(春分の日)にたべるのは……ぼたもち
秋のお彼岸(秋分の日)にたべるのは……おはぎ
ということになります。
おなじ商品なのに、季節によって呼び名が変わる和菓子。
これが和菓子屋の一般的な見解になります。
したがって。
春に「おはぎをたべた」と発言するのはひかえたほうがいいかもしれません。
おなじように秋に「ぼたもちをたべた」というのもNGワードだと思って良いでしょう。
最後に
この情報は、和菓子屋のなかでは定説として知られています。
しかし。
なかには一年をとおして「おはぎ」として販売する和菓子屋さんもありますし、なぜか地方によって「つぶあんだとぼたもち」「こしあんだとおはぎ」(逆の場合もあり)というような感じで情報が錯綜(?)しているのも事実です。
ぼくのいう「牡丹餅」だから春のお彼岸にたべる、「御萩」だから秋のお彼岸にたべるというのは、しにせの和菓子屋だけの定説なのかもしれませんので誤解のないようお願いいたします。
元和菓子職人のうのたろうでした。