うのたろうです。
いよいよ年末ですね。
年末といえば、大晦日。
そして大みそかといえば、除夜の鐘。
というわけで。
本日は、除夜の鐘についてのお話しです。
除夜の鐘は108回鳴らすというのは有名ですが、その理由とは……?
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除夜の鐘のマメ知識
除夜の鐘の意味をご存じでしょうか?
除夜の鐘を108回鳴らすというのにはどんな意味があるのでしょうか?
「煩悩の数が108だから」
これが一般的によく知られている理由です。
しかし、それはじつは正解な解釈ではないのです。
なぜなら……
除夜の鐘を108回鳴らす理由は?
この108という数ですが、じつはこれ数字にはなんの意味もないのです。
「ものすごく多い」という数字をあらわすアイコンとして「108」をあてているにすぎないのです。
ですが、この108という数字が「ものすごく多い」という意味になるのにはちゃんとした理由があります。それは……
除夜の鐘の「108」という数字の理由1
除夜の鐘の起源は中国です。
その中国には有名なお話があります。
「水滸伝(すいこでん)」というものです。
三国志と双璧をなす中国の有名なお話しです。
この水滸伝には魔性の星神なる人物たちが登場します。
この魔性の星神の人数が108人なのです。
つまり……
中国では「108」という数字自体を文化的に重んじているのです。
除夜の鐘の「108」という数字の理由2
除夜の鐘の「108」という数字にはほかにも理由があります。
たとえば古代インドでも「108」という数字は「大変多い」数字のアイコンとして使用されていました。
もっとも古代インドでは108のほかにも「84000」や「3000」などといった数字を持ちいたりもしていたようです。
除夜の鐘の「108」という数字の理由3
そして当然「除夜の鐘は108回」を採用する日本にも、それなりの理由づけになりそうな論がいくつもあります。
その意味や理由づけとは……
日本での除夜の鐘が108回の理由づけ
日本での除夜の鐘の意味や理由づけは仏教の各派によってさまざまです。
それぞれを見てみましょう。
1.一年間をさまざまな区切りでわけた合計が108という考え方
まず一年は12カ月にわけられます。
そして一年は24節季にわけられます。
さらに一年は72候にわけることができます。
これらの合計が108だから、除夜の鐘も108というようにする考え方です。
が。
それでは仏教との関係が薄いというのも事実です。
2.いろいろな感覚器官や意識から煩悩が起きるという考え方
人間の感覚器官は6つあります。
六根と呼ばれるもので眼・耳・鼻・舌・身・意がそれにあたります。
そして人間の意識の段階は3つに分けられます。
気持ちがいい(好)、嫌だ(悪)、なにも感じない(平)という3つです。
さらに人の心は2つ、綺麗(浄)と汚い(染)に分けられます。
それが現在、過去、未来と3つの段階で続きます。
これらをそれぞれ数字にすると。
感覚器官の「6」、意識の段階の「3」、心の「2」、現在過去未来の「3」ということになります。
それらをすべてかけあわせると、その解が「108」になります。
なので、この考え方からは除夜の鐘が108になるという意味づけがされているのです。
3.語呂合わせの考え方
煩悩に似た感覚で「四苦八苦」という言葉があります。
これをゴロ合わせのように数字に変換すると4989。
この数字を4×9×8×9というようにすべてかけあわせると、その解が108になります。
そんな理由から「除夜の鐘は108」という意味づけがされています。
まとめ
このように除夜の鐘が108回である意味や理由にはさまざまな考えかたがあり、一概にこれが正解だというものはないのです。
なので、もっとシンプルに人間の煩悩とは「108=たくさん」あるからというように考えるのが一番わかりやすい除夜の鐘の回数の意味なのではないでしょうか。
よいお年を。
うのたろう