うのたろうです。
「超ド級」――この言葉の語源を知っていますか?
というわけで。
本日、言葉のお話しです。超ド級の由来はなんなのでしょうか?
見ていきましょう。
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ド級の「ド」の意味は?
ド級の「ド」は度ではありません。とうぜん「ド」はドーナツのドでもありません。
こたえは……
ドレッドノート艦
の頭の「ド」。
「ドレッドノート級」だから「ド級」。
ドレッドノート艦なみにすごい――そういえばわかりやすいでしょうか?
では……
ドレッドノート艦てなに?
ドレッドノート(dreadnought)艦は1906年にイギリス海軍が建造した大型戦艦です。
当時このドレッドノート艦はでたらめにすごい戦艦でした。
どれくらいにすごかったのかといいますと、英語「dreadnought(ドレッドノート)」は「恐いものなし」という意味の単語。そんな名前をつけられちゃうくらいにスゴイ戦艦だったのです。
そういった経緯から、当時のもののたとえとして他を圧倒するものやサイズが大きいものを「ドレッドノート艦」を意味する「ド級」という言葉で表現するようになったのです。
ちなみに……
日本では「ド」の部分に漢字の「弩」の文字があてられ「弩級艦」と表記されました。
これがド級の意味です。ではこれを踏まえて次に……
超ド級の意味は?
超ド級――この言葉は上記の「ドレッドノート艦との比較」以降にできた言葉です。
具体例としましては、ドレッドノート以降に建造された戦艦は「あのすごいドレッドノートよりもさらにすごいんだよ」というニュアンスをこめ「超弩級艦」や「超超弩級艦」と呼ばれました。新型機の売り文句みたいなものですね。
つまり。
超ド級の意味は「ドレッドノート艦をこえるくらいにすごい」ということだったのです。
これが超ド級の語源、由来です。ちなみに……
「ど根性」や「どあほ」「どでかい」「ど真ん中」などの語源・由来もおなじ?
これはよくかん違いされることなのですが、「ど根性」や「どあほ」や「どまんなか」などのように強調を表す接頭語「ど」というものは語源がまったく違います。つまりドレッドノート艦の「ド級」とは関係ありません。
こういった接頭語の「ど」は主に関西で使われはじめたもので、1906年以前から使用例が見られるというのが根拠です。
むしろ近年よく耳にする「ドM」や「ドS」などのほうがド級からきている言葉に近いのかもしれません。
まとめ
意外な由来があった「ド級」「超ド級」ですが、これでスッと頭にはいったのではないでしょうか?
ドレッドノート艦級だから「ド級」
現代風にいえばトヨタのプリウス級にすごいから「プ級」になったみたいなニュアンスですね。そんな言葉ないけれど。
これでもいちおう物書きです。
うのたろうでした。